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教育行政方針

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令和6年度 教育行政方針

はじめに

令和6年標茶町議会第1回定例会の開会にあたり、令和6年度の教育行政執行方針をご説明させていただき、議員各位、町民並びに教育関係者の皆様のご理解とご協力をお願いする次第であります。
令和5年度は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことに伴い、学校においては基本的な感染症対策を講じながら、学校・家庭・行政が一丸となって、子どもたちの学びの充実に取り組んでまいりました
今年度は、これまで得た知見を活かし、さらなる学びの充実と教育にかかわる諸課題の解決に向けた取組を推進してまいります。
本町の基本目標の一つである「みんながいきいき学んで育つまち」の具現化に向けては、子どもたちが多様な人々と協働しながら自らの人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができる力を身に付けていくことが肝要です。そのため、学校教育では、「ふるさと標茶に誇りと愛着をもち、自らの夢の実現のために挑戦し続ける子どもの育成」を図ってまいります。また、学校教育・社会教育が一体となって地域における幅の広い教育活動により、「町民すべてが生涯にわたって学び、自らの人生をよりよいものにしていく教育諸条件や教育環境の整備」を推進してまいります。
以下、主要な施策の概要について申し上げます。

1.学校教育の充実

はじめに、「学校教育の充実」についてであります。
学習指導要領においては、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるようにすることが求められております。
そのためには、学校と家庭・地域が教育の理念や目標を共有し、連携・協働しながら学習指導要領の理念を学校の教育計画に具体化するとともに、日々改善を進めることが重要となっております。
以下、学校及び教職員一人一人が教育公務員としての自信と誇りをもち、保護者や地域の信頼に応える、魅力ある学校づくりを推進する施策について7点にわたり申し上げます。

信頼に応える魅力ある学校づくりの推進

学校が保護者や地域の信頼に応えるためには、学校・家庭・地域が目指す目的や目標を共有し、共に子どもたちの「生きる力」を育んでまいります。
以下、そのための方策について申し上げます。

  1. 社会に開かれた教育課程の実現

学校は、教育目標の実現を目指し、教育内容の質の向上に向け、子どもたちの姿や地域の現状に基づき、カリキュラムマネジメントの充実に努めなければなりません。
そのために、教育課程を保護者や地域と共有することを通して、「知・徳・体」のバランスのとれた「生きる力」を育むため、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて取り組んでまいります。
また、保護者や地域住民が学校運営に参画する「コミュニティ・スクール」につきましては、令和6年度新たに、標茶地区(標茶小学校・標茶中学校)、磯分内小学校区、沼幌小学校区を指定し、学校と地域が連携した持続可能な協働体制のもと特色ある教育活動を行ってまいります。

  1. ふるさと・キャリア教育の充実

児童生徒が将来に向けた自己実現を図るため「ふるさと教育・キャリア教育」の充実に努めてまいります。
そのために、本町の豊かな財産である「ひと・もの・こと」を活用し、小学生による釧路川のカヌー体験・標茶高校と連携した食育連携事業を継続します。
また、各学校における地域の教育環境等を生かした体験的なふるさと教育を支援するとともに、子どもたちが学ぶことと自己の将来とのつながりを見通すことができるよう、地域資源を活用した学びを進めキャリア教育の充実を図ってまいります。

  1. 教員の資質の向上

児童生徒の「生きる力」を育むためには教員の資質・能力の向上が不可欠であり、主体的に学び続け、自らの授業を磨き続ける教員の育成が求められております。
そのため、「新たな教師の学びの姿」の実現に向け、標茶町教員資質向上研修を行うとともに、標茶町学校教育研究所の活動の充実、各種研修会への積極的な受講を奨励するなど、教職員の資質向上につながる研修機会を確保してまいります。また、2校を研究指定校に指定し本町の学校教育水準の向上に寄与する実践的研究を進め、国のGIGAスクール構想による1人1台端末の効果的な利活用に向けた、教員の指導力向上に取り組んでまいります。

確かな学力の育成

これからの社会を生き抜く確かな学力を育成するためには、自ら学び、行動し、よりよく問題解決する資質・能力を養うことが重要です。そのため学校教育においては、子どもを中心においた質の高い学びを、切れ目なく保障することが求められています。
以下、そのための方策について申し上げます。

  1. 「主体的、対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善

各校においては、学習指導要領の趣旨を踏まえ「主体的に学び、周りと対話する過程で自らの学びを深めていく授業」が求められています。そのため一人一台端末の活用を一層進め、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実への授業改善及び端末を活用した家庭学習を推進してまいります。
学習の定着を把握する手立てとして、標茶町学力サポートプラン(標準学力調査)や全国学力・学習状況調査、北海道チャレンジテスト等を継続的に実施してまいります。

また、児童生徒の学習状況を的確に把握することで、実効性のある学力向上プランを策定し、検証改善サイクルを確立することに努めてまいります。
英語力向上につきましては、外国語指導助手2名を町内の認定こども園に派遣することに加え、新たに小学校1・2年生における外国語活動を開始し、幼児から系統的に生きた英語に触れる機会を充実させます。また、道教委の事業である小学校英検ESG、中学校英検IBAを効果的に活用し、英語力の向上を図ってまいります。

  1. 生活習慣・学習習慣の確立

各家庭に「早ね、早おき、朝ごはん運動の推進」及び「家庭学習習慣の確立」を呼びかけ、生活リズムチェックシート等を活用して家庭との連携を密にすることで、家庭における望ましい生活習慣と学習習慣の確立に努めてまいります。
また、「北海道学び推進月間」の標語づくりに取り組むことで、主体的に学びに向かう態度の育成を図ってまいります。

 

  1. 今日的な教育課題への対応

情報化社会に主体的に対応できる「情報モラル」「情報活用能力」を、授業での1人1台端末の活用場面等において育成するとともに、家庭との連携によりネットトラブル等の未然防止に努めてまいります。
また、北海道アクション・プラン(第3期)を踏まえ、「標茶町働き方改革行動計画」を改定し、校務の効率化と役割分担の推進・学校運営体制の見直しなどによる改善等を通して、教員の働き方の改善に努めてまいります。

豊かな心の育成

規範意識や互いの個性・立場を尊重する態度、生命を大切にして、他者を思いやる心など、児童生徒の豊かな人間性と社会性を育むため、以下の点について取り組んでまいります。

  1. 道徳教育の充実

特別の教科である道徳を要として、学校の教育活動全体で道徳教育を進め、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養っていきます。
そのために、「考え、議論する道徳」の授業を充実させ、その取組を家庭や地域に公開するよう努めてまいります。
さらに、問題行動等の未然防止に向けた「非行防止教室」「薬物乱用防止教室」等を計画的に進めてまいります。

  1. いじめや不登校への対応

「標茶町いじめ防止基本方針」に基づき、いじめの問題の未然防止、早期発見、早期対応等、「いじめ見逃しゼロ」に努めてまいります。計画的ないじめ実態調査や教育相談等を通して状況を把握したり、「SOSの出し方に関する教育」を充実したりする等、組織的できめ細かな対応をしてまいります。また、「いじめ根絶に向けた1学校1運動」や「いじめ根絶子ども会議」「絆づくりメッセージコンクール」等の取組を通して、「いじめは絶対に許されない行為である」という意識の醸成を図ってまいります。
不登校への対応については、児童生徒の多様な特性を踏まえ、各校に校内教育支援センター(サポートルーム)を設置し、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場を確保し、児童生徒が安心する居場所づくりに努めます。また、幼児教育施設や民間施設との連携を密にし、小1プロブレム、中1ギャップの予防に努めるとともに、スクールカウンセラーや養護教諭による専門的な相談に積極的につなげることを通して未然防止及び適切な支援を進めてまいります。

  1. 読書活動の充実

読書は、豊かな心の育成や確かな学力の基盤として重要な活動であることから、児童生徒が日頃から読書に親しむことができるよう学校図書館の活性化や読み聞かせ、ブックトークの設定などに取り組み、読書の習慣化につながるよう努めてまいります。

子どもの健康な体の育成と安全

  1. 健康な体づくりの充実

全国体力・運動能力、運動習慣等調査や新体力テストの継続的な実施から児童生徒の体力の状況を的確に把握することで、実効性のある体力向上プランを策定します。また、体育エキスパート教員を活用し、運動の特性を生かした授業改善を通して、児童生徒の体力向上に向けた取組を進めてまいります。
そして、学校保健安全法が定める検診の実施や性教育、疾病予防や事故防止などの指導を通して、健康の保持増進を図ってまいります。

  1. 安全教育の充実

学校の危機管理マニュアルに基づき、災害を想定した避難訓練や、地域と連携した「1日防災学校」等の実践的な防災訓練を実施し、防災体制の整備や災害から身を守るために必要な能力の育成に努めてまいります。

また、「標茶町通学路交通安全プログラム」に基づいた校外や登下校時の安全対策、不審者侵入時の退避行動について学ぶ防犯教室の実施を、関係機関と連携して取り組んでまいります。

さらに、各校では月2回の「ネットパトロール」を実施し、インターネット上で児童生徒がいじめや犯罪等のネット上のトラブルに巻き込まれることがないよう、未然防止・早期発見・早期対応を行ってまいります。

  1. 食育の充実

「標茶高校と連携した食育推進事業」の実施や、栄養教諭による食育などを通して、食に関する正しい理解と望ましい食習慣の定着に向けた取組を推進してまいります。
また、標茶高校への給食提供や、地場産品の活用、衛生管理及び栄養バランスに留意した献立など、安全・安心でおいしい学校給食の提供に努め、町内小中学校の児童生徒の給食費の無償化を継続し、子育て世帯の支援を実施してまいります。

特別支援教育

子どもたち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や支援を行うため、特別支援教育コーディネーターが中心となり、個別の教育支援計画を活用して組織的な支援に取り組むとともに、特別支援教育支援員の配置や「標茶町特別支援教育マップ」を作成し、支援環境を整備してまいります。
また、関係機関が連携する標茶町特別支援教育連絡協議会の活動を支援し、特別な支援を必要とする子どもへの適切な指導の充実に努めてまいります。

幼児教育

幼児期は、次代を担う子どもたちの生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であります。幼児教育と小学校教育の円滑な接続のもと、認定こども園や保育園等との連携に努めてまいります。また、今年度より町内の認定こども園に定期的に外国語指導助手を派遣し、幼児期からの外国語活動を実施いたします。

教育環境の整備

各学校の教育効果の向上を図るため児童生徒数の将来動向等に留意のうえ、令和5年度において学校適正配置計画を策定しました。学校、家庭や地域への情報提供を行い、よりよい教育環境づくりに努めてまいります。
スクールバスの運行につきましては、児童生徒の安全を確保するため関係機関の連絡体制をより緊密にし、安全運行の指導を徹底してまいります。
学校施設等の整備につきましては、「標茶町学校施設個別施設計画」を基本とし、財政状況を踏まえて、教育環境の質的向上や改修の検討を進めてまいり

ます。
なお、教育振興対策事業及び学習教材費サポート事業により、引き続き学校における教材費等を公費負担とし、父母負担の軽減を図ってまいります。

2.生涯学習、芸術文化・スポーツの充実

生涯学習、芸術文化・スポーツの充実であります。
令和6年度は、標茶町社会教育第9次中期計画の2年目になります。
すべての町民が、生涯にわたりあらゆる機会と場所において、学ぶことができるような活動の場と情報の提供を行い、学んだ知識や技術を生かした社会活動を奨励し、誰もが心豊かな人生を送るための環境づくりに努めてまいります。

家庭教育への支援

子育て支援センターをはじめとする関係機関と連携し、乳幼児期からの親子のふれあいや豊かな情操を身につけるための支援に努めてまいります。

青少年教育の充実

子どもたちの多様な学びや体験活動に対する意識を高め、「望ましい生活習慣」の定着に向けた取組の推進を図るため、各学校や各関係団体等と連携して「しべちゃアドベンチャースクール」をはじめ、各種体験活動の充実に努めるとともに、「少年の主張大会」や「子どもの夢を育てるまつり」などの事業を推進してまいります。また、20歳を対象とした「20はたち)のつどい」交流会の開催を引き続き支援してまいります。

成人教育の充実

公民館等を中心に住民ニーズの把握に努め、趣味の講座や健康づくり教室、レクリエーション等、心の豊かさを実感できる事業を推進してまいります。
また、女性のつどいや男女平等参画集会をはじめ、まちづくりに対する女性団体の活動を支援してまいります。

高齢者教育の充実

趣味を持ち健康的な生活とスポーツを楽しむことや、健やかで充実した生活を営むことができる環境づくりのため、「たんちょう大学」や地域の交流の場である公民館で行われている「各種講座」等の学習機会の充実により社会参加の機会の提供に努めてまいります。

図書館活動の充実

「資料提供」「全域サービス」「児童サービス」の3点を重点に、図書館システムを活用しながら進めてまいります。
また、11万冊を超える蔵書を多くの方に利用していただけるような展示を、来館が難しい方には、移動図書館車による定期巡回の際の訪問や公民館等の拠点箇所への定期配本に努めてまいります。
第2次標茶町子どもの読書活動推進計画に基づいた学校への配本や読み聞かせ、町保健福祉課と連携した子育てメソッド、ブックスタート事業等を継続してまいります。

博物館機能の充実、文化財の保護と活用

標茶町博物館は、昨年11月30日付で博物館法に基づく公立博物館に登録されました。これからも地域との関わりを重視した事業展開に務めてまいります。
博物館機能である「収集と整理・保管」「公開と展示」「普及と教育」「調査と研究」に加え、企画展や各種講座の開催に努めるとともに、展示解説パネルの多言語化や博物館ボランティアガイドの人材育成に取り組んでまいります。
また、標茶町アイヌ施策推進事業計画に基づき、本町に存するアイヌの歴史や文化等に関し、保存・情報発信を目的とした各種事業に取り組んでまいります。

文化の振興、スポーツの推進

文化の振興については、各文化団体等と連携を図り、各種公民館講座をはじめ、町内の社会教育施設を活動拠点とする社会教育認定団体の自主的な文化活動や地域の特色を生かした総合文化祭、文化講演会等に対する支援を行うとともに、文化バス事業による優れた芸術鑑賞等の機会を提供してまいります。

スポーツの推進については、住民のだれもが「いつでも、どこでも、いつまでも」スポーツに親しむことができるようスポーツ推進委員や健康づくり運動指導員による指導・普及体制の充実に努めるとともに、標茶町スポーツ協会や各学校と連携し、駅伝競走大会をはじめ、各スポーツ大会等の事業を推進してまいります。また、全道・全国大会等の出場に係るスポーツ振興助成金による支援に努めてまいります。

障がい者スポーツにつきましては、関係団体と連携し取り組んでまいります。

また、少子化の中でも将来にわたり、生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することを目的に中学校における学校部活動の地域移行を進めることとし、まずは標茶中学校における休日の部活動で、指導体制の整った部活動から試行してまいります。

以上、令和6年度の教育行政執行に当たって基本方針を申し上げましたが、本年度も本町教育の充実・発展に向けて全力を尽くしてまいります。
町民の皆様並びに町議会の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、教育行政執行方針といたします。

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お問い合わせ先

標茶町教育委員会 管理課総務係
〒088-2313 北海道川上郡標茶町常盤8丁目8番地
TEL 015-485-2111 FAX 015-485-3764

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